アトリエ桜
個展終了の翌日も いつものアトリエがあって 月曜クラスの6年生達は卒業式を終えてアトリエに来た。
6年生でも中学生でもない フワフワしたキモチの時。。。
このクラスで描くのは最後になる。
三人は このクラスに残るレン君にメッセージを渡した。
レン君は三人のお姉さんたちに 一人ずつ感謝と応援の言葉を家で書いて来ていた。。
偶然にアトリエで知り合っただけなのに 一緒に過した時間はつながって 重なって 思い出になった。
お互いに交わすメッセージ。代々受け継がれている光景だ。
子ども達は過去を土台にしてグングン未来に昇っていく。いい土台があれば大丈夫と トトロは思う。
個展のときにOB OGたちからいただいた贈り物で一番多かったのは「おっとっと」。
みんなアトリエオヤツの定番を知っていて これを買う時 アトリエを思い出して楽しかったんだろうな。。。と思った。
さてさて現役軍団 水曜クラスの24日。
みんな なんとなくアラタ君を気にしつつ。。。それでも一生懸命描いている。
アラタ君はこの日をラストに月曜日のクラスに移ることになっていたから、センパイお兄ちゃんたちの別れのテンション最大級。
「俺たち 高校生になったらこんくらい大きくなるから、それでもアトリエに居るから。。」
「イスからおりなさーーーーい!」とトトロ。「はーい。。へへ。。」
そして 全員でこっそりアラタ君にしばしの別れのメッセージ作成中。。。
みんな ちょっと淋しくて ちょっとおもしろいメッセージを書いて アラタ君に手渡した。
ノリトラ君なんか「絵の余白をなくすように。」なんてアドバイスまで書いていたし。。センパイ達からの温かいカードだった。
そして27日土曜日 前半クラスには 本当に転校でアトリエに別れを告げるリョウタ君が来ていた。
みんなは なんだか神妙に 静かに絵を描いている。
フルーツを描くノノカちゃん。
トトロ先生が サッと描いた みんなの似顔絵カードを静かにまわすと 全員黙って 吹き出しに丁寧にサインを書いた。
リョウタ君はそれを見ないフリをしながら 自分の絵に向かっていた。
トトロはいきなりみんなに提案した。
「お花見に行きましょうか?」
みんなもリョウタ君と何かしたいと思ってる感じが伝わって来たので アトリエ近くのいつもの神社に向かうと そこには ちゃんと桜が咲いて微笑んでいた。
「みんな げんきでしあわせに・。・。」と それぞれが かわりばんこに参拝。
歴代の生徒達は ここを「アトリエ神社」と呼び、「アトリエ桜さんこんにちは。」と挨拶してきた。
ひとしきり 桜を見上げてココロに焼き付けてから 手をつないで写真におさまった。
アトリエの若手 一年生 二年生 三年生 とハルカちゃんスタッフ。
4月になれば 学年がひとつ上がる。。。貴重な三月のメモリーになった。
帰る途中の公園で「少し遊んでもいいよ。」と言うと みんな一斉に駆け出して いろんな遊具でひとしきり遊んだ。
アトリエに戻って 少し粘土をして リョウタ君のお母さんがご挨拶にいらしたので みんなしてグータッチで見送りをした。
転勤先は島根の松江だとか。「松江はいいよ。美術館も宍道湖も 和菓子も。。」とトトロ。
「描いた絵はどうしますか?」と聞くと「置いときます。」と。また来るキモチ満々らしい。
いつかまた会えそうな気のする 明るい別れになった。
「さよーならーーーーーーっ。」「元気でねーーーーーーーっ。」
女の子たちは アトリエ前に固まって 振り返りながらトコトコ去って行くリョウタ君にみんなで手を振った。
後半には 先回別なクラスを欠席した双子君たちが混ざって 移動のない平穏なアトリエ風景。
お休みしても 意識の高い子は他のクラスに来て描く。
双子君もユミちゃんも4月からは中学3年になる。
部活もしながら よく頑張っていると思う。
盲学校のヒロト画伯は いつものブタのシリーズがまた増えていた。
面白いから 描き続けて 自分でストーリーをつけて絵本にするのが夢。
それぞれの春に、おめでとう。
個展の絵たちは みんな郵送して あちこちのお宅に到着したらしい。いつまでも可愛がってもらうんだよ。
トトロは今 追加ご注文の作品と オリジナル作品を毎日描いているところ。
子ども達は トトロ先生の個展を見て なんだかとても絵に向かう姿勢がシャンとした。。
がんばるところを見せるのが 一番 みんなを励ますみたい。。
みんなの存在がトトロに絵を描かせているんだけどね。。お互いに心地よい関係でいたいものだ。
今年も まもなく桜が満開だ。
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