ご縁のミラクル

　　9月11日　夕方からの月曜クラス。暑かった昼間の空気の残りで子ども達の顔は汗ばんでいる。

　いつものように  ちょっと照れ臭そうな　嬉しいような顔で　早く来て宿題を片付けたショウタ君。トトロ塾今日は一人。。

　トトロはみんなに　これからのアトリエスケジュールを伝えた。

　「まず　生徒展に向かう心の準備。それと同時に病院にお届けするクリスマスカードを　作りたい　届けたい　と思ったら自主的に作り始める。まだ暑いけど　今年は　あと三ヶ月なのよね。」

　黙って聞いていたショウタ君は　さっそく　クリスマスカードに取りかかった。やんちゃで優しい男の子。

アラタ君は　意識も高く　持参した資料を見ながらタイタニック号を描き上げて「ボク　こっちを生徒展に出します。」と。

「いいね。沈んでいく哀しみが伝わりますよ。。。」と　トトロ。

　しばらく　みんなで　これは実際に起こった大事故で　日本人も乗船していたことなど　語り合った。

ワカコちゃんは　一年前の生徒展直前にアトリエ入りして　クリスマスも体験していたから　張り切って静かにカードを作りはじめた。

トトロは　それがいろんな病院の患者さんや　ドクターや　ナースの皆さんをいつも励ますこと。鳥取をはじめ　沖縄にまで　みんなのカードを贈ること。今年はもっと範囲を広げるほど　知ってる病院が増えたことなど　物語りのように説明した。

なんの見返りや報酬も考えず　心から動く事は　相手に伝わるから　子ども達の天使マインドこそ素晴らしいと。。。。

子ども達の愛とパワーは必ず届く。　　　強制はせず　ただそのことの素敵さを説明するトトロ。

　季節が移ろうと　今年もトトロはだんだんサンタになっていく。たくさんのサンタの弟子の背中にも天使の羽が生えてくる。

　まだ真夏日の　16日　土曜日クラス。

　喉の渇きを潤すアメちゃんを配って歩くノノカちゃん。

　ユウタ君やユリナちゃんと　トトロ先生もアメちゃんをいただく。ノノカちゃんなんだか　成長してるね。自分のアメは最後に選んだ。

　いつの間にか　リョウスケ君が　大玉花火の筒と炎と煙を描いて「ボク　これ出します。」って。よくがんばりました。。。。

　自信があるときには　胸を張ってカメラに向かう画伯たち。　分かりやすくてとてもいい。初めてこんな絵を描いた。

　送って来られたお父さんは「何描こうかなぁ。。」と言ってます。と。

　「アトリエのイスに座ると浮かんでくるよ。」と　リョウスケ君に言うと「あ　浮かんだ。」と描いたのがこれ。ほらね。。。

　この日　都合で一人アトリエを去り、その1分後に入りたい親子がアポ無しで訪ねて来るという　超ミラクルハプニングが起こった。

　一部始終を見たみんなは　唖然として「やっぱりトトロの魔法だ。」と。いつも変わらないアトリエの人口。ご縁の不思議。。。

　去る子を見送り　新しい子を迎えてから　気を取り直して　アンパンマンキャンデーのなぞなぞで遊ぶ。

　新人の3年生は　月曜クラスに来ることになった。　この日はちょっと体験して行った。。。ミラクル　ミラクル。

　そんなことが　あったよ。。と　後半のクラスに伝えた。

　一年生コンビに　ちょいと導入の手ほどきをする。そっちのミオリちゃんは　昔からいたように　スイスイ描いている。

　中学生達は　何も言わなくてもそれぞれの世界観で夢中。カコ画伯とソロンゴ画伯。

　こっちは　カエデ君とミナト君。生徒展の絵をもう一度最初からチャレンジするミナト君と　コンクールにチャレンジするカエデ君。

　二人とも　妥協せず　あきらめず。トトロ先生は応援中。道具をさり気なく揃えているところ。

　この日は　米子のユリちゃんも参入。生徒展の作品の途中。大丈夫　まだ間に合います。

　なので　アトリエの席が足りなくなり　オフィスの方で特別お一人様の高校生　カノちゃんは　静かにゆったり製作中。

　がんばる　ユリ画伯。

　満足そうな一年生たち。

　みんなが　やり遂げた顔で　生徒展用の写真に収まった時　窓の外は真っ暗になっていた。

　トトロ先生と子どもたち。こうして並んで　26年が経つことがミラクルだ。

　顔ぶれは変わっても　絵を描く喜びとみんなの作り出す空気感は変わっていない。アトリエのゴチャゴチャした風景と可愛い子どもたち。

　途中下車したり　飛び乗って来たり　アトリエ号のご縁のミラクルのなかで　僕らはみんな　生きている。