出逢いの不思議
1月にしては雪もなく、穏やかな日の続く18日の土曜日クラス。
一年生のカホちゃんは 用事でお休み。
二年生コンビは元気にやって来て 絵本の本棚を物色し お気に入りを見つけてからそれを見ながら描き始めた。
ユウキちゃんは ワンコの色をつくって試しに塗ろうとしているところ。
ユズカちゃんは トトロのメイとサツキのオリジナルバージョン。
宇宙の図鑑を前に 何やら難しい理屈をこねて「僕の描きたいものがない。」と いつものように出足の遅いユウタ君。
この日 絵本に見入るみんなの中に 一人オトナのお姉さんが混じっていた。
新しくアトリエに入りたいとメールがあり、初めて出向いていただいたミキさん。
新入り候補のミキさんにアトリエのことを説明しているのは 面接官のユズカちゃん。ppppp
二人とも真剣に かつ楽しそうにいろいろな会話が聴こえて来る。
かくて ミキさんは合格となり、助っ人に来てくれたカイキ君やスタッフのハルカちゃんからも「合格」との合図をもらったトトロ。
オトナの方が子ども達から「いいね。」と言われた 稀に見る現象だった。
子ども達は その人の発する空気感を敏感に読み取り、お互い心地よい関係を感じるチカラが強い。
経歴や職業を聞くわけでもなく、ただアトリエの仲間としてやっていきたいかどうか。。。それをトトロに教えてくれる。
「先生 いい感じです。」カイキ君からもOKをもらった。
トトロはミキさんに「みんな OKですってよ。」と言って笑った。「えー うれしい。。」とミキさん。
それは失礼な事でも何でも無くて 子どもの生徒中心のアトリエにとって とても大切なことなのだった。
みんなはちゃんと敬語を使って ミキさんにおもてなしをしていた。
そうして 彼女は正式に後半クラスに来るはこびとなり、またトトロはあらためてみんなに紹介した。
みんなは挨拶をしてからいつもの通り。ミオちゃんはセンター試験の為 サローラも模試の為 お休み。
みんなが同じような時間に一斉に来たのを見たミキさんが「みんな兄弟なんですか?」と天然のボケ質問を炸裂。
「んなわけないでしょ。。大家族スペシャルじゃあるまいし。・。・。」とトトロ。大笑い。
絵のパートナーはユミ画伯。
動物を描きたいというオトナの後輩に さりげなく自分愛用の動物の写真集を見てもらうユミ画伯。
トトロがミキさんの絵のお猿を「大きすぎない?」と言うと「少しなおせば大丈夫。」とフォローするユミ先輩。
出逢いの奇跡は 色々な偶然に見せかけた運命の采配だと 常日頃思っているトトロ。
ミキさんは長崎出身で鳥取大学に学び、特別支援教育を専門の道に選ばれた。
ご自分が 高校生の時にいきなり歩行困難になり やがてその原因が脊椎の難病と知ることとなる。走る事の不自由さはもとより 筋肉が次第に弱まる障害が彼女の試練として与えられる中、音楽のサークルで作詞作曲 歌もCDにして 物語も創った。
アトリエOBのケンイチロー君の写真を見つけて「この彼はサークルの後輩ですっ。」と。いやはや スゴイこと。この世はせまいです。
物語を絵本にしたいと夢を持ち 絵が描けるようになりたくて 今回トトロと出会ったのだけれど、同じ大学の彼と結婚されて料理も好きで さらに特別支援学校の教師として働いておられて うかがうまでは彼女の足の不自由なことにすら気づかなかった。
似たような病歴同士が 出会うべくしてアトリエで出会った。出逢いは全て奇跡なのかもしれない。。。。
お互いが とても元気を交換し合えた。トトロは自分の若い頃を見るようだった。
トトロも彼女も まだ何もあきらめてはいなかった。不自由なのは身体だけで、この日の出逢いに心は羽ばたいていた。
子ども達は そのことを何も知らず、ただひたすら みんなが彼女の中に宿る素敵さに惹き付けられたのだった。
トトロは彼女に言った。「生きていこうね。」彼女は満面の笑顔で「はいっ。」
翌 日曜日、県民文化会館でビアノのプチコンサートに出ている 小さな友人達に小さな花かごとお菓子を届けに出かけた。
運転のネコバスはテンテンママ。
テンテン君のお母さんは 相変わらず少したどたどしい日本語で、「先生 いつでも呼んで下さいね。私が先生のお手伝いをするとテンテンがうれしそうだから。」と微笑んで下さった。
あぁ なんて面白いんだろう。トトロは自分の足が不自由なおかげで いろんな人の助けをいただくことが出来る。
やっぱり 躊躇せずに 行きたい所へ行き 会いたい人には会いに行こう。それは きっと運命の予定に組まれていることだから。
まだ クリスマスが終わってから一ヶ月も経っていないことに なんだか少しびっくりしている。
明日はどうやらあたたかな大寒になりそうだ。
今年も初めから 素敵なドラマの予感満載。たくさんのことに 心から感謝しています。
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遅れましたが 新年おめでとうございます
今年こそ、展覧会を拝見したいものです
山陰は学会が少ない
投稿: 酒が好き | 2020年1月20日 (月) 16時27分
こんにちは。
素敵な方が入ってこられましたね。
こどもだけでなく、
いろいろな年齢の方が、
垣根なく、自由にできるのが
アトリエのいいところですね。
これから日本は年齢が関係ない時代に
入るのかもしれないと
最近思っています。
投稿: ふうちゃん組 | 2020年1月20日 (月) 18時10分
酒が好き 様
ありがとうございます。
こちらこそ 今年もよろしくお願い致します。
雪のない大寒でした。
今年は 秋ごろ個展が出来たらいいな。。と思っています。
学会と重なるといいですね。。。
きっといつか 出会えます。
なんだか 今年は出逢いの運が強そうなので。
投稿: アトリエトトロ | 2020年1月20日 (月) 23時03分
ふうちゃん組 様
ありがとうございます。
そうですね。
トトロも年齢と社会性について だんだん垣根がなくなっているように思います。
現に この彼女も深い哲学をお持ちでした。
何も考えず ただ年齢だけ重ねても 自分勝手な幼い人になるようにも思います。
様々な経験と 出逢いが人生の深みに関係してくるのでしょうね。
小さい面接官のシーンは本当に面白かったですよ。笑
投稿: アトリエトトロ | 2020年1月20日 (月) 23時07分
生徒面接官さん
なんか ごまかしや作り笑いを見抜かれそうで
私は合格点 もらえそうにないです アハハ('◇')ゞ
初対面なのに 実は教え子繋がりだとは
驚きですね てか
師匠の思うより かなりのパワーで
増殖してるのです
トトロファミリー拡大注意報発令中~!
・・・ なんてな ( *´艸`)
投稿: プニ | 2020年1月21日 (火) 21時26分
プ二 様
ありがとうございます。
ppp あらら本当だー。
ちびっ子生徒の面接だと ごまかせませんねー。
鋭く 優しく 正確に とらえてましたよ。笑
トトロが忙しかったので 頼みました。アハ
身体のことも 大学でのサークルにアトリエOBが居たことや。。さらに音楽のことや。。後からBOSSもびっくりしてました。
しかも長崎。トトロは岩手。アトリエがなければ絶対に出会う事のない関係だと思って、ココの皆さんとの出逢いも奇跡的なんですよね。
イヤー 発令したいかも。。。今年は色々と問い合わせ多いです。
きっと みんな運命的なのでしょうね。
投稿: アトリエトトロ | 2020年1月21日 (火) 23時26分
トトロさん、こんばんは。
先生いろいろに政治家、市長、知事・・
みんな子どもが面接すればいいですね。
今年もアトリエから目が離せそうにありません。
テンテン君の絵からも目が離せません。
(=^・^=)
投稿: うさパン | 2020年1月23日 (木) 23時41分
うさパン 様
ありがとうございます。
あら ホントですね。最終面接官は子どもたち。
よく見ていますよ。。。
ポイントはただ一つ「気持ちのいい人」かどうかみたい。
それって大事ですよね。
自然に子ども達と会話の出来るオトナって あんまりいなくて、ただ黙っていたり、一番嫌がられるお勉強では何が好き?なんて聞いたり。。
自分の子ども時代を思い出せばすぐにわかることなのに。。って思います。
この彼女との運命的な出逢いも 身震いするようなコトでした。
アトリエから目を離さず見守っていて下さい。
投稿: アトリエトトロ | 2020年1月23日 (木) 23時52分
こんにちは。先週はありがとうございました。面接ってどんなのかなとドキドキでしたが、なんとも優しい時間を過ごせて終始ハッピーでした。(面接シーンが何度見ても面白い…)トトロ先生の放つ雰囲気に、アトリエにいるのに実家に帰ったような感覚でした。初めてなのに!笑
また来週が楽しみです。これからもよろしくお願いします^ ^
投稿: みみ子 | 2020年1月26日 (日) 09時58分
みみ子 様
ありがとうございます。
歴史に残る 面接シーンになりました。笑
おつきあいいただいて感謝です。
絵本は 原作をあれの歌詞にすればいい。。と思いました。
やっぱり人生は楽しいですね。
不思議は自分で創っているのかな?
また お待ちしています。
投稿: アトリエトトロ | 2020年1月26日 (日) 11時14分