アトリエのクリスマス・・・その1

　どのクラスも、今年のアトリエはあと一回ずつ。

　去年は一番最後だった水曜ちびっこクラスにいち早くクリスマスがやって来た。昨夜から吹雪いていた大寒波の中、やっぱりみんなちょっと早めに駆けて来た。

　到着時刻と同時に、焼き上がったケーキから温かく甘い香り。

「どういう風にかざってもいいよ。」はりきる二人。ゆみちゃんはケーキの残り香を嗅いでうっとり。　

　小さなアーチスト達は、懸命にデコる。指についたクリームは舐める。そしてデコる。何回も手を洗いに行く。さすが2年生と3年生コンビだ。　

　にんじんの葉っぱをツリーにした。クリームの上には一面のおっとっと。感心!　

　一年生たちは、カード創りの仕上げ中。カルピスは一年生が注いだ。今日は画用紙は出さずに、テーブル全体をパーティーのようにするのがアート。ぬいぐるみ達も中心を向いていた。　

　ロウソクを灯し、電気を消してクラッカーを発射。「一年生のときはこれがこわかったんだよね。」昔をしのぶ2年生　ゆみちゃん。・「メリークリスマス!」

　今年のアトリエが、10月から本格始動だったことも忘れて、まるでずーーっと続いていたかのように楽しく時間が過ぎていく。トトロ先生は(ことしもクリスマスが出来てよかった。)と　みんなに感謝。

　と、その時玄関から「おとどけもので~す。」さとし君がすっ飛んで行く。大きな箱。この日手伝ってくれた美咲ちゃんのお母さんと　運び、みんなの前でトトロ先生が英語で書かれた名前を呼ぶ。「えーと、はい、ゆみちゃん。」上を見上げて「サンタさん　ありがとーーー。」拍手☆それがみんなの分続く。新人たちは何がおこったかと驚き、神妙にイスから降りて受け取る。「サンタさん来たね。」「一週間もはやいのに、なんでアトリエのある日がわかったんだろう。」「せんせいがお手紙かいたの?」「そうだよ。」とさとし君。あける音だけがゴソゴソとして、静かなクリスマスソングが流れる。　

　信州のくまサンタさん特製のポーチからは本物のクルミが出て来た。「ほら、クルミ。」ていねいに開ける美咲ちゃん。　

　みんなの中身を広げて、自分たちでつくったケーキを残さずいただいて、いろんなことをして遊ぶ。この日もひめちゃんは素足。「アトリエってホントのサンタさん来るんだね。」「そだよ。」ゆみちゃんは絵本のクリスマスとアトリエを比べて「ほら　ほら　ここんとこおんなじでしょ。」図書館のお姉さんみたいに説明している。

たとえ　この一年に心配や苦しみがあっても、きっとどこかでサンタが見ていてくれるから、いつもアトリエの最後は「ありがとーーーー。」とみんなで叫ぶのね。

いろんな子が粘土でつくった小さな天使も玄関に並ぶ。みんな自分の顔に似てるよ。これも病院の受け付けに持って行く。　

そして、とうとうみんなのカードが完成。トトロの木の下の5年生達の分も併せて100枚。患者さん達どころか先生やナースの皆さんにまで渡りそう。乗りやすいトナカイのソリを頼んで、イブの前にお届けしてこよう。

一枚一枚読むうちに、それはそれはありがたくて幸せをいただいたトトロでした。なんて可愛いサンタたち。ありがとうねーーーーー。　

アトリエはあと7クラスのクリスマス、一度も忘れずサンタが来てくれるといいな。トトロも精一杯手伝いますから、どうかサンタさんがのぞいてくれますように。

　あ　今年もトトロクッキーちゃんと入ってましたよ。そしてまた今年も誰も食べずに持って帰りましたよ。みんなに　メリークリスマス