薬の名前

気がつくとＨＣＵ(ハイパー治療室)と言う部屋だった。
(HCU前の廊下)


悪いものが取り除かれて、お腹には傷口と痛みが残っていた。時間帯が全身麻酔であやふやだけど、無事意識が戻って一安心。ボスにただいまをしてお礼を言う。

一晩中呻(うめ)いた。痛み止め四回。
翌朝から食事開始。夢にまで見た絶食解除。心は嬉しいのに何も食べられず、デザートについているアイスクリームを一口。無添加の野菜のサラダと塩だけのおにぎりが食べたいと思った。あとネギだけの味噌汁をいただきたかった。

今は塩分少なめの治療食なので、味噌汁は朝だけ。でも、こうして助けていただいていると激痛だろうが絶食だろうが耐えられる。有りがたさが苦痛を上回ったとき、どんな状況も受け入れて乗り越えられるものだとわかる。



薄紙をはがすように手術後の痛みも軽くなり姿勢も立って、かなりのことが元のトトロになった。食事も半分ほどがいただけるようになり、相変わらず皆さんからの応援レターを読んではファイトを出して見る。

友達になった研修医の野中先生、２８日で心臓内科の研修終了。入院の日から毎日主治医の影嶋先生に付いてトトロの治療と検査に付き合ってくださった。
上履きの紐がよくほどけるので、７つ道具からボンドを出して結んだまま貼り付けてあげた。もちろん別れは絵はがき贈呈。いつか開業されたら待ち合い室の絵を贈る約束をした。ガンバレ！と送り合う別れのエール。

(研修医の野中先生)


外科病棟の入り口にプチギャラリーも出来た。

　



いろいろな科を渡り、たくさんのありがとうの出来事が命をつなげてくれている。子ども達やトトロフレンドからのお手紙やブログへのコメントが心の薬となっている。
このブログを携帯で書き込み中にも、外科の研修医で手術に立ち会っていただいた枝野先生が別れの挨拶にいらした。彼にも開業の時の絵を約束。ありゃ、あと何年絵を描くつもりなんだか。

息苦しいのでもう少し検査が続くらしいけど、こんな毎日の全てがお薬だと信じてごちそうさんです。薬の名前は「愛」かな？やっぱり。