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2013年10月22日 (火)

ハロウィンの季節

ハロウィンは子どもの頃は知らなかったが、マーケットやらおしゃれなショップではオレンジのカボチャ満載の10月。収穫祭と悪霊退治の意味があるという。とりたててアトリエではいつもの教室なんだけど、おもしろいからカボチャを置いて、さりげなく粘土で作ってハロウィンらしくしていると、だまっていてもカボチャの家など描いている。
1310222(☆この時期、毎年このスタイルのカイキ君と、偶然これでお迎えに来た愛子ちゃんのお母さん)

1310223(☆10月21日のアトリエお迎えの時間のハロウィンタイム)


 月曜のクラスにひとり病弱な子がいて,今日もどうしても学校もアトリエも休んでしまっていた。病院で検査をしいしい一生懸命生きている。みんなは彼に手紙を書く。私はそれをファックスで送る。「アトリエはいつもパーティー。はやくおいでぇ。」などとイラスト入りで書いている。「心配は伝わっておくすりになるから。」と私。だって本当だから。

1310221(☆子ども達は病欠の仲間に必ずファックスを送る)

 人は心配されたり心配したりして生きるもんなのだ。心配してもらうと、人の心配が出来る。七夕のときも誰かの幸せを願って短冊を書いた。かわりばんこにお互いを案じるとパワーが強くなる。この日欠席の男の子の名はしょうま君。「画家になりたい。」といつも2枚目の短冊に書く。今年の1枚目には「東北復興」と書いていた。「画家になりたい。」と言う子どもたちは増えて来て夢はこの頃とみにふくらんでいる。理由はあの先輩の快挙だ。

先日の日曜日に陸君とふたりで追加のご注文の絵を描いていたとき、画家という仕事についての深い話をした。結論だけ言えば画家である前に人間であれ、ということを話し合った。それもとても深く味のある人間になれば、自ずと絵が生きて、もう一度見たい絵、もう一度会いたい人になる、と。40歳で絵描きになった私は、17歳でデビューした彼に、「急がず たゆまず あきらめず」というドイツの格言になぞらえて、これからいいかというほど苦労して、恥もかいて、挫折して、それでも画家なら本物。と伝えた。画家になる前にそれをしてきたはずなのに、まだまだ挫折もあり、苦しみもある私なのだから、それが画材の一部となっていることは間違いないのだ。

 土曜のアトリエに陸君が手伝いに来たとき、県中部の倉吉市というところから1人で列車に乗って来る5年生の碧君が、陸君の顔をまっすぐに見て、「画家になったか?」と聞いた。陸君は私がコップを洗っていたキッチンに入ってきて、「先生、先生、あおい君が・・。画家になったか?って。」と笑い転げている。倉吉の方言は単刀直入に「◎◎か?」と聞く。「ましたか?」とか「◎◎ですか?」を省略して、「これ先生描いたか?」とストレートなのだ。「それで何とこたえましたか?」と聞くと、「はい。」と答えたそうな。この前のブログをご家族と読んで「すげぇーーー」と思って、本人と出会いすぐに聞いたらしく、憧れで紅潮した碧君が、「ふつう、そう言わんか?」と照れて笑っていた。

「陸君はね、こうしてみんなのお世話をしたり、先生の手伝いをするうちにりっぱに優しく強くなったから画家になったよ。」と説明すると「俺も手伝う。」と言いながら、みんなに画用紙を配る碧君。

だから日曜日に、誰もいないアトリエで「道につまづいたときは・・俺は画家になったか?と自問自答してみたらいいよ。」と陸君に話した。「本当だ。」と彼。

ハロウィンでアトリエの魔除けをしつつ、あいかわらずいろんな方からいただくお菓子をみんなと分け、手分けしてあちこちにお礼状を書き、何かになる前に人間になろうとする子ども達。その前向きな一生懸命さにとても気持ちが洗われた。伝えたこと以上のことが伝わっていく季節だ。

10月の高い空には羊のようなちぎれ雲がポンポンと流れている。夢を持つ未来の子ども達の姿をいつまでも見届けたくなってしまった。
1310224


米子に行ったとき,その場で追加ご注文していただいた陸君の絵と、トトロ先生の新作ポスターの原画はこちら。

あと一週間と少し、米子の個展はつづいている。

1310225 (☆これは人気だった。「dream」)

1310226(☆あの日の花回廊のおかげで描き上げた、ご注文のポスター原画)

 

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アトリエ日記」カテゴリの記事

コメント

カボチャ色のアトリエで 心を配る先生 それに続いている子どもたち 
深い心の話に 画家になったか? わっはっはー♪の羊雲 
素敵な アトリエの時間に心躍ります
花回廊の絵揺れるコスモス 音符のリンゴに帽子の子どもたち
元気いっぱいどんぐりちゃん 素敵な音色の奏でが聴こえてきました 
心配はお薬になりますね!

ずっか 様
ポエムのような はずむコメントありがとうございます。
コメントフレンドの皆さんに どんな風に伝えようかな?と考える楽しみがいっぱい増えました。こうして作文好きな子になるのですよね。笑
子ども達が、お互いにファックスメッセージを送り合うときも、文字の力や言葉の力に感心します。伝える手段は昔より多いのに、伝えようとする人は減ったかな と 心配なトトロです。
いつもずっかちゃんコメントで元気復活します。またよろしく!!

・・あ~、感想が書きたいけど書けない・・。
でもいろんな言葉が心にストンと落ちました。(=^・^=)

うさパン 様
ありがとうございます。
何よりの ご感想です。うれしいや!!
私もときどき「なんか言いたいけど 言葉に置き換えれないけど・・
いいってこと だよ。」と言いに行くことがあります。m(_ _)/*-*-*-*

碧君の話に思わず笑ってしまいました。
病欠のおともだちにみんなで寄せ書き。
アトリエは心が育つところですね。
雲の羊、陸君のくまの絵、トトロさんのコスモス
たくさんのポスター。。。
どれもこれも心に沁みていきます

くまきろり 様
ありがとうございます。
県中部の言葉は「なったか?」と上げないで「なったヵ!」ときっぱりとした声で下げるものだから、なおさらおもしろくて,聞かれた方はタジタジとなります。笑
心は自然に育っていますね。おとなも 育つ伸びしろがあれば 育つものだと思います。
いやはや 毎回 笑い転げるトトロでした。みんなの寄せ書き とてもいいですよ。

こんばんは。
ハロウィンは、ココログはじめてから知りました。
はずかしいです(笑)
倉吉の人ってストレートなんですかね…。
やりとりが面白かったです。
人間であることですか。
僕にカメラを勧めてくれたのは行きつけの散髪屋のお兄さんなんですが、
この間、“カメラのことだけ知っててもいい写真は撮れない。いろんなことを知っていないと…”って言われたんですね。
その意味を今考えているところです。
人間であることは、ひとつ、どう心を描くかってこともありますか…。
最後の陸君の絵と新作ポスターの原画、いいですねえ。
心が表れてます。
次回も楽しみです。
それと僕名前変えちゃったんです。
ロレンツォ69からチャーリー69になりました。

チャーリー69 様
あっ チャーリーさんの方が打ち込みやすいです(◎´∀`)ノ
この間子ども達に「いつかロレンツォさんという方が来てくれるかもしれないよ。」と言ったとこでした。「チャーリーさんも来てくれるかも。」と言っときますね。
アートは自分の心も体験も良識も全部作品に現れますから、人の心に届くまでにはちと修業してすっかり0になってみると,気取りのないものが出てくるということかな・・とこのごろは思います。だから子ども達はそのままでストレートにいいものを表現します。以前指導しに行っていた聾学校の子ども達の写真もよかったです。
チャーリーさんの写真も好きです。
運命に逆らわず、真摯に受け止めて喜怒哀楽を持って逃げなければ、いいアートになるように思っています。陸君もこれからです。
コメント感謝です。これからもよろしく。(=゚ω゚)ノ o(_ _)oペコッ
倉吉も米子も明るくストレートな感じがありますね。

アトリエはいつもパーティ。
トトロ先生やみんなと楽しくおしゃべりをしたり絵を描いたり。
パーティには「仲間、味方」という意味もありますね。
訳しかたによっては「一味」なんてことも・・・・(笑)

陸君のくまちゃん、大地にドカッと座って遠くの目標を見つめている、私にはそんなふうに見えます。

りんふう 様
ありがとうございます。
なるほど~~~もしかしたら「一味」かも・・・・。
なんの一味かは 未来にわかってくる仕掛けがありそうです。

わざとらしく仲間づけするのは苦手ですが、いつの日かソウルメイトになっていた というのがいいですね。
クマちゃんは陸君自身なのかな・・と思います。
遠い目線の先が楽しみです。

 お久しぶりにコメさせて頂きます。
  いつも拝読してましたが、今年の夏はアトリエトトロの子供たちの笑顔が眩しく、また、哀しい出来事・・・にコメ出来ずにいました。介護職の私とは、正反対の世界。。
 トトロさんの活動力に、パワーを貰いながら気が付くと秋になっていました。。
 本のなかで、「人は心で生きている」と言う言葉を時々、思い出します。。
 心折れる時も、ありますが・・・
お年寄り(認知症の中、重度の方)に、1日に1回でも笑顔で過ごせる時間が、あればと思っています。
 今回もアトリエトトロの様子と陸君の、ほっこりするクマに癒され、トトロさんの色彩豊かなポスターにプラスパワーを頂きました。 ^^
 
 

アナログ 様
ありがとうございます。
私もアナログさんのつぶから,体調を崩されたり、また立ち直ってお部屋が元気そうに変わったりされるのを見ていました。きっと介護のお仕事などでストレスが並大抵ではないのだろう と 推測していました。
アトリエは子ども達とのかかわりもあるのですが、それぞれのご家庭のご事情ももれなくついて来るので、お年寄りの介護で大変なお家もあり、世間が垣間見られます。そんな中での陸君やみんなの活躍がプラスの風を運んでくれて、トトロもシャンと立っていることが出来ます。(*゚▽゚)ノ
明るい絵を描き続けますので 見ていて下さいね。スマイル スマイル!

「アトリエはいつもパーティー」
「心配はお薬になる」

いいなぁ 暖かい♡
みんなの心が伝わって、心が元気になって、身体が元気になる!!
本当にそうですよね

そう教えてもらって、お手紙書いて…
生徒さん達の心も優しく強くなっていく

とても素敵なことですね


陸くんの絵 好きです
くまの表情もですが空の色がなんとも言えない

そしてトトロ先生のポスター
鍵盤の階段が空にのぼっていって、優しいメロディーが聴こえてくるようです
コスモスが揺れて笑いさざめいているようです
暖かいですね
いいなぁ

いつか原画をみてみたいです

ひなたねこ 様
ありがとうございます。
今の若いもんは・・・なんて言わずに大人が 温かい人のぬくもりを一生懸命に見せていれば、優しくて強い子が育つように思います。
陸君のクマさんは 彼の人生のスタートの大切なものになりました。
気負わずカフェのお客さまがホッとするように気持ちを入れてごらん、と言うことだけを伝えてみました。画家の友人は少ないからトトロにとってもこれから共に歩む仲間になりそうで 楽しみです。
またちょこちょこアップしますね。お楽しみください。
いつか原画展においでください。って何処にお住まいなのかしら?

こんにちは♪
このところあまりゆっくりIN出来ずにいました

カフェのお客様がホッとするように…
素敵なアドバイス
そして陸くんは心を込め描いた
それがあの絵なんですね


詩とメルヘンの話がでましたが、私は以前詩を書いていました
一応本屋さんで売っている同人誌と仲間が分化したミニコミ誌程度の活動でしたが…
当時は関西にも仲間がいたので遊びに行ったりしていました
今は詩人になった友人と交流がある位ですけれど
童話も書いていましたが、絵心はお寒いものでした

立原えりかさんが大好きで、佐藤さとるさんのコロボックルに夢中になった学生時代
やさしい童画は今でも好きです

なんとなく たなかかおるさんの絵に何処かで巡り会っていたような気がしています(*^^)

私は湘南に住んでいます
活動範囲は神奈川・東京・埼玉 たまに千葉
首都圏で個展があれば飛んでいきます(^^ゞ

ひなたねこ 様
そうでしたか。
コラボで絵本ができますね。
立原えりかさんの通信講座も テキストだけ持っています。笑
さとうさとるさんの コロボックルの世界 本を何度読んだことか。こちらでプロデュースしたパン屋さんに「コロボックル」とネーミングして 看板にコロボックルと蕗の葉の傘も描きました。

案外トトロもアリエッテイもそんなとこからの発想かも知れませんよ。

こんにちは♪

コロボックル、トトロさんもお好きだったんですね
なんだか嬉しいです

確かにアリエッティはそんな感じがしますね


何かのかげに小さい人がいる
私もそんなポエムを書いたことがあります

親指姫の時代から小さな人はすぐそばにいるのかもしれませんね

ホントにそう思います。
小さい者のおかげかな? と思えることもよくあります。
私の生まれた岩手には 座敷わらしやカッパなど、不思議だけど本当のような言い伝えがいっぱいあって、私は信じているのです。
見えないけれど ある世界っていいですね。

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