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2013年7月13日 (土)

幸福力

暑中お見舞い申し上げます。まさしく猛暑到来。日本中どこもかしこも記録的な暑さで、これでも7月かとびっくり。21世紀生まれの子ども達はそんな地球に慣れっこなのか、さほど苦しそうな顔もみせずに楽しくアトリエに向かってくる。

毎年私は言ってみる。
「アトリエも夏休みにしよっか?」
「えぇーーーーーーっ。だめだよ。」
何回このやりとりをしたことだろう。毎年私は一つ歳をとる。子ども達はひとつ成長する。おなじひとつでも随分ちがう。
「僕は先生は死なないと思うな。」陸君がつぶやいた。「バレたか。」私も笑って返す。そうだといいね。
 

この前しょうま君から電話があった。
「先生、カブトムシもっていってもいいですか?」
「いいよ。何匹?」
「雄と雌と2匹。」
「つれていらっしゃい。みんなで描こうね。」
「はいっ!!」
彼は身体が丈夫でないからいろいろとハンデを抱えて、それでもアトリエには一生懸命やって来てくれる。画家になりたいから、いろんな絵を描く。石にも描く。小さい絵ばかりだったのがこの頃大きな画用紙に書き出した。みんなもそれを見て「いいねー。大きな絵だねー。」などと言ったりする。このまま丈夫に大きくなればいいなぁ、と私はみんなとの時間を見ている。
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この日読んだ絵本は「かぶとくん」。
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遠方から来ている「やちるちゃん」はパフェを描いた。オリジナルで小さなキノコパフェも描いた。その日はカップにアイスを取り分けて、ポッキーやバナナを好きに飾らせて、「自分でパフェをつくってごらん。」と言うと、楽しそうな創作おやつタイムになった。きらいな果物まで入れちゃって、おいしそうに食べているから面白かった。ぐちゃぐちゃになる子やお店のかと思うほど器用に創る子もいて、みんなそれぞれなのがよかった。約束はひとつ。「取り分けたら残さない。」みんな自分のおやつに○○パフェと名前をつけて絵にも描く。ひとつひとつのことが全部つながるアトリエタイム。楽しそうだ。2時間はすぐに過ぎてゆく。
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以前、昼間の大人時間の教室に習いに来ていた「いしもとちとせさん」の個展が始まった。バリバリの塾講師だった10年前に脳梗塞で半身が効かなくなり、今も利き腕が動かない。話すのも不自由で、杖をついていらっしゃる。仕事も出来ずリハビリの日々に私の個展に来てくれたのが出会いだ。やがて身障者用に改造した車を運転して習いに来られるよう になり、2年前友人のカフェで個展を開いた。値段も小さく遠慮がちだったので、「わかるように価格を書いて、プロとしてやるなら胸を張って!!」と励ました。利き手じゃないので味のある書もよかった。健康な時分は書の達人だったのだ。周りからもいろいろ言われ、自分の体力との闘いもあっての2回目の個展にこぎつけた。私は12日の初日に出かけた。本当のギャラリーを借り切って、猛暑の中の準備を妹さんに助けられつつ、笑顔の彼女は待っていた。絶対に「暑い」と口に出さず、普通に入ったつもりだったのに汗まみれの私がお祝いを渡すと、「暑いのに来てくれて。」とたどたどしい口調で彼女が笑った。会場には「大切なものを失うと大事な何かが見えてきました。」というふうな彼女の自筆の書があった。たくさんの絵や和紙のカラフルなちぎり絵を観ながらしょうま君のカブトムシがふっと浮かんだ。人はだれでも一生は一度。懸命に一歩進むと景色が変わる。個展の大変さはよく知っているから「続けるのよ。」とまた励まして握手した。
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(いしもと ちとせさんと***個展は16日(火)まで ギャラリーあんどう)

これからを生きる子ども達と今最中のおとな達、さほど変わりはない。時間を短く感じられるような楽しさをアレンジしたいと思った。幸せを感じる力こそ、人間力の必須アミノ酸かな。熱中症にご注意くださいね。

水分と睡眠と幸福力でこの夏を乗り切りたい。

(☆浴衣は20日まであつめています。帯だけ 下駄だけ 大人用でも よろしくご協力おねがいします。)m(_ _)m

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コメント

おぉ~カブトムシもうそんな季節ですね!あと、浴衣ですが、帯とか浴衣とかバラバラですがあったのでもっていきますね!

きょろたん 様
ありがとうございます。
今日も暑いよ。麦茶がうまい☆よろしくお願いします。(*^ω^*)ノ彡

不思議ですね。
ちょっと気が塞いでいると、決まってトトロさんが
ブログを更新されていて、元気とパワーを注入してくれます。
いしもと ちとせ さん、素敵な方ですね。
いしもとさんもトトロさんもいい笑顔です。
見習わなくちゃ!
お身体に気をつけて、お過ごし下さいね

くまきろり様
本当に不思議ですね。私がくまきろさんのブログにおじゃまするときも そうです。読むとホッとするんですよ。
ちとせさんのがんばりには頭が下がりました。力の抜けたいい作品群でした。初日に駆けつけることが出来て 私も何かの達成感がありました。
目的があると 前に進むことが出来るんですね。
暑いからご無理をなさらず いいポエムを生み出してくださいね。
ありがとうございました。

夏休みのアトリエ…私も行きたいです!
カブトムシにパフェ、聞いただけでワクワク♪
子供たちにとってアトリエは最高の時間ですね♪
取り分けたら残さない!あれこれ言わず、大事なことだけ。
だから子供たちも心からの笑顔なのですね。
いしもと ちとせさんのお話、感銘を受けました。

幸せを感じる力…幸福力!必須アミノ酸!素晴らしいです
子供たちの必須アミノ酸になれるように、お昼寝して頑張ります
先生の素敵な時間のお話で元気が出ます。今日もありがとうございます

ずっか さま
ありがとうございます。
暑さもあって 益々 あれこれ言わず 暗号のようなトトロでして。でもウダウダと注意事項を言われると ワクワクが萎えますよね。そこは感動してから 自分たちで気づいて治せばいいと思っています。
 慎重派 あわてんぼう ひらめき派 みんなちがって力を合わせて。大切なのはうれしい思い出。しかもお金じゃ買えないひとときの夢。ずっか家の工夫も参考にさせて下さいね。ちとせさんを見ていると 人は出来ないのじゃなくてやらないだけなんだな と 再確認です。いつでもはじまりですね。

 わたしも、「子どもにつけさせたい力」という話になると、「幸せを感じる力」が思い浮かびます。幸せ上手な人は、良い人生を生きられると思うから。不思議なことに、幸せを感じる力の強い人は、他の人の悲しみや苦しみを感じる力も強いんですよね。どちらにも鈍感な人は、損しないように生きているつもりでも、どこか損してると思います。

アヤドン さま
ありがとうございます。
ロシアの民話を思い出します。「大きな家の窓からは 不幸だ不幸だ ときこえたから 小さな家から聞こえた 幸せだありがとう・・という方の窓から忍び込んだ泥棒が見たのは パン一切れにお礼を言う貧しい人の姿だった。」というお話。震災でこちらへ来ている方達の表情は 感謝と幸せに明るく満ちていました。今日もお会いして来て こちらも幸せになりました。家も故郷も家族も亡くしたというのにです。幸せの毎日だと笑い合って来ましたよ。ヽ(´▽`)/

「幸せを感じる力」いいですね。

今度は、ハムスターを描きたい、、とうれしそうに申しておりました。
毎日楽しそうにそれらを観察、お世話している姿を見ていると、虫、小動物が苦手な母もなんだかかわいく思えてきたりしている今日この頃です(^-^;

アトリエで「力」を磨いてくれているようです。


キャサりん さま
今年は 七夕さまへの願い事に 「男らしくなりたい」と書いていた男の子がいつにも増して多かったのです。あと 幸せと平和について書いた子もね。頼もしく思いました。
 虫は私も苦手ですが 子ども達がこっそり持ってくるので 「か か 可愛いねぇ(;;;´Д`)ゝ」と 苦節18年。
ぼくらはみんな 生きている ♪ ってことですよね。
力を磨いていただきましょうか。がんばってますよ 彼。

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