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2013年3月 3日 (日)

春一番

弥生のこよみを確認したかのように春一番の突風が全国を駆け巡った。

窓を叩く風の音は不思議なことに深夜から明け方にかけて鳴り響く。風のやんだ午後のアトリエ前に散らかった木の葉を片付けていると、はりきった顔に瞳をキラッとさせて、春一番もどこ吹く風の子ども達がやって来た。

「兄ちゃんはインフルエンザです。」と、心なしか得意顔のコウタ君。兄弟のどちらか一人が欠席すると、たちまちアトリエを独占したような気になるらしく、今日の彼はアーチストだった。

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絵だけでは飽きたらず、何か創りたそうにしているから「自分で考えたものを、やり方も発明しながらつくるのよ。」と言って、私が集めておいた流木や各種お宝(ガラクタ)を差し出した。それを見ていた女の子も「わたしも創る。」と材料を分け合い、とても楽しそうにアートしている。
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粘土もつかうけれど、棒きれや空き箱などに自由に色を塗って、何かを貼ってうっとりしている子ども達を見ているのが好きだ。
「それ何?」は禁句。カッターナイフや面うちも使いこなして、ついでにみんなの鉛筆も削っている。「傷ばんそうこうはここにおいとくけど、痛いから手を切らない方がいいと思うよ。」と言ってチラ見していると、持ち方など工夫して覚えた子が、「こう持った方がいいデ-。」と教え合っていた。ホッとする。
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絵に没頭して自分の色を生み出す子。ひそかに先生の手伝いをしている中学生。みんなちがったことをしている光景は陽だまりの公園のようでいとおしい。
卒業・入学・合格・進級・進学と、人生のイベント目白押しの直前のこの時期。「おめでとう、はもう少ししてからね。」と言ったら、試験を来週に控えた中三の女の子が、「がんばるけど、ダメでも来ます。」と。「別に合格やら、どこの学校やらは関係ないよ。元気で一歩前に進むことにおめでとうなんだよ。」と小さなストラップのお守りを渡すと、「そんなら、やっぱりがんばります!!」と、ニコニコして帰って行った。
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一斉に足並みをそろえて苦しそうに超える試練よりも、自分の立ち位置にしっかり踏ん張ってチャレンジスタートに挑む姿勢が大切だ。材料はいろいろと揃えておくけれど、創りたいものがみんな違うのだからね。自分で自分をアートしながら進んで行ってほしいと祈る三月のアトリエ。
春一番の風が通り過ぎていった。

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アトリエ日記」カテゴリの記事

コメント

すばらしいアートだ。この流木みおぼえがあります。いつか先生が賀露の砂浜から袋いっぱい拾ってきたとき、みんなしていろんなものを創りました。ナイフで削ろうとしていたら「消しゴムを削って持ち方練習してからね。」といわれたのを思い出しました。「危ないから止めなさい」と言わなくても、先生はハラハラしてたんですね。おかげで、工夫と発明は今でも役に立っています。ちびっ子たちがんばれよ!!

OBさま
ありがとうございます。
救急ばんそうこうはいっぱい準備しています。
でも、口を出さないと考えて出来るようです。伸び伸びと楽しい時間であることだけを中心にやっているつもりです。ちびっ子たち元気ですよ。
OBのみなさんも、たまには青空を見上げて深呼吸してくださいね。
創り出す心を忘れないで。たくましく、強く、やさしく、面白く!!

こんばんは。
自分の中の「何か」を自分なりのカタチに創っていく。絵でも音楽でも、文章でもなんでもいい。みんなと一緒じゃなくてもいい。これって子供にとって大切なことなんだなと最近分かりました。アトリエでいっぱい創造する子供たちがうらやましいです!大人になってからではもう遅いかなぁ?

きつじー 様
はるばるコメントありがとうございます。
いつでも「今」。全然遅くないですよ。
だれでも中心に「童心」があるから、呼び覚まして下さいね。
だって「今」はこれからの自分の中で一番若いのですから。
私はアトリエ時間のとき、まったく年齢を意識していません。へへっ。

こんばんは。ブログへのコメントありがとございました。
みんなのびのびしていますね。
自分たちで考え、創り、そして他のお友達や先生への
心配り。やはり環境が大切なんだと思いました。

くまきろり 様
こちらこそ、ようこそコメの旅へ
あのポエム風物語、とてもステキでした。
子ども達は、いつの時代もおんなじように とても豊かな遊び心に満ちていると思います。気持ちを大らかに開放するところがあれば、陰湿なことはなくなるのにな・・と感じます。
ともかく私もみんなに遊んでもらいながら、まだまだ成長したいとおもっているんですよ。いつかそちらのポエムと合体した絵本を描いてみたいです。

HPの絵も春らしくなりましたね。
かっぱ娘はアトリエでは自分の発想のままに色々なものが自分の思い描いた通り作れることがとてもうれしいようです。

あんな絵の好きな子が学校の授業では先生の言うがままにしなければいけないと絵が描けないと文句ばかり言っております(笑)
想像力はなかなか発揮されないようです。それをアトリエの仲間と語っているとか・・・(笑)

それぞれが新しい環境に旅立ってく時期ですが、いつでもホットできるアトリエ、守っていって下さいね。


かっぱのおやこ 様
 いつも親子でアトリエを楽しんで下さってありがとうございます。
学校も私立ではないところの辛さもありそうでして、特に感性や想像や創造の芽を育てることの難しさがあるようです。どの学問や体験も、とっかかりや入り口の役目に学校があるんだと思っています。なるべくアトリエも学校も役目がちがうことを 伝えてみてはおりますが。
 まあ、超アート好きの子ども達にとっては、色の指定などが苦しいらしくアトリエで爆発してアートに没頭してますねー(*^m^)。出来れば、未来は芸術部門や運動はその道のプロも先生と一緒に協力して子ども達に指導するようなことが実現してほしいですね。

 コメントどっさり。それも、中身が濃いですね。ジャンルもアート、教育、創造力と多彩。うらやましいです。
 卒業と入学を毎年迎えている我が家、数えてみたらなんと今年で7年連続です。しかし、今年はもしかすると入学が無いかもしれないなぁなどと、心ゆれる春ですね。
 

あやどん様
ココログのアバターで全国デビューして80日ほどになりましたが、日本中からコメントいただくようになりました。アトリエの子ども達のおかげでまた広い世界を旅しています。アヤドンもたまにはゆっくり停留所で文庫本一冊読み終えるような旅も悪くはないと・・・・・。私なんか10年も停留所に居たんだもんね。今の私には耐えられません。
ついに 本日 立ち上げました。トトロのハンガー「とりかえっこ」。
あれを実行します。移住の方も自分たちも「とりかえっこするぺー」です。また詳細はブログで。洋服整理しといてねーーーー。
心揺れる春は とりかえっこに限るべ。お茶っこにしましょ。

アトリエの子たちはみなアーティストですね。

この時期はほんと心揺れる春ですね。
我が家は息子がまた一人旅に出発しました!!
今できるチャレンジを応援し、快く送り出してやりたいと思っています。
本当は心配で毎日祈ってますが・・(゚ー゚;

ひろ衛門さま
親の心 子知らず・・・┐(´-`)┌。コメントありがとうございます。
でも、ホントの心配度合いを子ども達が知ったら,何も出来なくなりますよね。M君の笑顔と智恵と勇気で,世界中何処に行っても友達を作ってくると思います。小さな針の穴からでも大空がのぞけるんだから、広くてたくさんの考え方があるってことを今のうちに見て来てほしいですね。
絵も文も彼の財産です。きっといつかみんなに世界のことを伝えてくれるでしょう。 世界の中心にお母さんの居てくれることを彼はとっくに気付いていますよ。私も無事をいのっています。大丈夫!!!!

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