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2013年2月24日 (日)

雨ニモ負ケズ

雪の予報をくぐり抜けながら、なんとか積もらずに今年の冬はありがたい。
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時折山あいや海沿いから来ている子ども達から、「積もっとるでぇ」と報告はあるけれど、去年の冬に比べたらスコップの出番は今のところごく僅か。なんやかやの忙しさを一つずつかいくぐり、いつものようにおなじみの顔がそろえば、ストンとリズミカルなアトリエ時間を取り戻すことが出来てとても安心する。

中学生のユメちゃんが「雨にも負けず」を聴いたら泣いちゃった・・・と報告してくれた。「そっか、ありがとうね。」と言うと、行ってない子達が聴きたいというのでビデオを流しながら絵を描いた。先日の東北弁ライブの様子だ。「雨にも負けず」のところでユメちゃんはまた泣いた。まだまだ皆さんが生活に困っていたようだったことを子ども達に話すと、書き損じの画用紙を裏返しにして新しい絵に取りかかる男の子がいた。

「先生、おれたちの分の画用紙を持って行って絵でも教えてくるといい。」とか、「私のお古は妹が着ちゃうから、ずいぶんボロになるけど、アトリエには一人っ子もおるんでしょ?」とか、鳥取に住まわれている東北のご家族に何か分けることが出来ないか考えている子もいた。

ストレートで優しい子ども達のセリフは胸をうつ。「先生は今度支援の会の本部に行って、何が必要か聞いてくるから。それをできるだけたくさんの人に話すから、みんなもお家の人に伝える係だよ。」というと、何かできるかもしれないことにうれしそうな子ども達だった。
「なんでそのことを、もっと新聞とかに出さんのかな?」率直な疑問だった。「あのね、みんなが一度に移住したわけじゃなくて、親戚のいる人もあるし、家族みんなで来た人やらお父さんだけ向こうに残ってはたらいてる家もあるんだって。だから事情は全部違っていて、困っていることも全部ちがうから、簡単に言えないんだって。」と言うと、「だって、よそに来てさみしいのはみんな一緒だろ?」

子ども達は助け合うのはあたりまえと思っているようだった。
「その通りだね。」 してあげるとかしてもらうという立場の枠が邪魔なのだと思った。

 

さてさて、よくよく考えて行動は素早くまたひとつ始めようとしている私。その為に顔と名前をみんなの前に出したのだろうか、と思った。あの人だ、とおぼえてもらえば「お茶っこにするべ」と声をかけやすい。まだまだ復興は始まっていなかったのだ。私には相談の出来る子ども達がついている。ストレートで純な気持ちこそ本物だ。「まず、こっちに来た子ども達のことから考えてみるから、相談にのってな。」と言うと、「ついていってやろうか?」と見上げる子ども達。いやいや、まいったまいった。

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アトリエのおひな様はみんなの手作りだ。木目込み人形は私の叔母が送ってくれて、とりあえず毎年出しているうちにちょっと表情が出て来たし、子ども達の作品も並べて、土曜のアトリエは小さい子も大きい子も絵を描きながら、明るくまじめに出来ることを探した日となった。
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相変わらず、曇りのないハートには勇気をもらう。雨ニモ負ケズ・・・か。やってみるか。人間はちっぽけだけど、その心は宇宙より広い、とみんなの前で言っちゃったしね。

二月の哀しいような寒さもあと少し。

 

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コメント

いつもほのぼのさせていただいてます。子供たちの笑いと笑顔も絶えない様子・・・良いですねぇ。(^^)/

エノッチ様
あんなに遠いところからコメントありがとうございます。
いゃ~~ どんな世界にも参加してみるもんですね。
とてもうれしいです。
毎回 なにかしら書くことがあるってことが幸せなんですね。
これからも どうぞよろしくお願いします。

その日は勤務で わらべ館にいくことが出来ませんでしたが、市役所からチケットを買っていたので友人に行ってもらいました。とてもとても 涙と笑いのホットなひとときだった、と報告がありました。いつも全力のかおる先生。また ひとつ生き方を教えてもらいました。最大限の力を出し切って 人を励ますこと。ですね。そして 子ども達は その上を行きますね。どうかお元気で、新しい活動のこと はじまったら またブログで教えて下さい。協力したいです。

すずらん様
ありがとうございます。DVDを見たら 穴があったら入りたいのですが、やっぱりあれが精一杯でした。心の中で「みんなー 元気出そうよーーー。」と叫んでおりました。境遇は変えることが出来なくても、未来は変えられるかな? と 祈る気持ちでした。
力を使い果たしたあとは アトリエ時間で子ども達から 気をいただきます。ほんとに彼らはすごいもんです。そして可愛いしね。すずらんさんもお元気でね。

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