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2012年11月 2日 (金)

秋 深し

これからの人も、昔も今もずっとの人も、もう先に星空に行っちゃった人達も、みんなみんな私の中にいつも生きていて、それはとてもたくさんの人数だ。だから世界で一番人口密度が高いのは、それぞれの心の中だと思う。

一ヶ月間に渡る米子の個展「ちいさな童画展」が終わった日のこと。
「まだ、片付けないで下さい。」という連絡が会場のカフェに入り、壁の絵を眺めつつマッタリしていたら初対面の若い女性が駆けつけて来られた。
「あ~~~間に合いましたぁ。」と息も荒い。10月は体調を崩していて、やっと最終日に来ることが出来たとのこと。島根の安来からだった。
毎年ここで小さな童画を一枚ずつ手に入れて、ややご病弱の身を奮い立たせて仕事をされているとのこと。その日は夕方からのお仕事の前の時間だった。医療関係のお仕事らしかった。慣れた手つきで新作絵ハガキとお好みの絵ハガキを10枚ほど選ばれ、おもむろに楽しそうにカフェ中を見渡して小さい作品達に語りかけるように目を凝らし、「あっ !」と声に出しつつ一枚の絵を見つけて下さった。

それは先日Sさんと旅連れをした時に新しく持って行った、今展最後に描いた作品だった。力の抜け尽くした可愛いい作品だ。頭で考えて描いているうちは力が入ってなかなか表現できないけれど、私の場合ヘトヘトのときに夢うつつの中でほぼ無意識に描いたような作品がとてもいい。つまり大抵のときはヘトヘトだから、いい絵なんだね・・・きっと(へへっ)。そればかりは自分じゃわからないのだけれど。

そういうわけでその作品をお持ち帰りされるということで、モタモタと私の不器用な手際で包み、一緒に写真を撮り、おみやげ用のりんごをひとつ手渡して、はじめて本人同士がここで出会えたことを祝福し合った。いつも記念ノートに残されたお名前とメッセージだけを手がかりに、(どんな方なのかしら)と想像しいしいお礼状を出していただけだったから、お会いできて本当に良かった。

1211021

彼女が仕事だからとさよならをした後に、喜びのあまり勢いづいた私は、カフェの中の方たちに、「さあ、片付けますから絵を選んで下さいね-。」などとニコニコしながら言っちゃったりして・・・。するとお客さんたちも買って下さったりして、イャー言ってみるもんだ。幸せは分かち合わなくては。そして来年も、と頼んでいただきましたよ。
米子、島根の皆さん、本当にありがとうございました。また行きますからお元気で待っててくださいね。

まだ今年は二ヶ月もあるから、来年の一月の個展と生徒展とカレンダー展とクリスマスの準備にかかれるのよ。大丈夫・大丈夫。・・・・・まあ大丈夫でしょう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今年もアトリエでは初めて出品する新人たちが、みんなに説明してもらいながらもイマイチどんな展覧会なのかわからぬままに作品づくりに励んでいる。
「せんせい、どんな絵を描いたらいいんですか?」
「そりゃあ、もちろん描きたい絵ですよ!君が描いてて楽しいと思えば見て下さる人も楽しくなるんだからね。」
「うーーん、わかったような気もするけど・・・なに描こうかな。」
すかさずベテラン6年生がひと言、「あのな、人とくらべたり上手く描こうとすれば楽しくないんだぞ。一番見て欲しい人に見てもらうつもりで描いてみ。お母さんでも好きな子でもいいんだぞ。だれも思い浮かばないときはかおる先生でもいいんだ。」
「わかった。おれお母さんにする。」
(おーーーーーい、わたしは補欠かーい。まあ、いいけど。)
しかし、ベテラン君すごいね。私の教えがしみ込んでいて感動した。

1211022

秋深し 人の心の温さかな。 

 

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コメント

秋らしい天候になりました。
また コメントさせていただく「もとPTA」です。
米子展の次はいつもの 童画展ですね。パワーのすばらしさに敬服します。
実は 先生の「教え」、うちの子も小学生の頃に突然言い始めて驚いた事がありました。
それは、「相手がうれしくないのは お手伝いじゃないよ。」というものです。自己満足や売名行為など理解できない小さな時に、分かり易く教えて下さったこと やっとわかりました。
今の社会の政治やボランティアの在り方にも通じるようでハッとします。
寒くなりますから気を付けて益々生きたことばを子ども達に分け与えられますように。

もとPTA様
ありがとうございます。ヘェー そんなことが伝わってましたか。とてもうれしいです。おせっかいとお手伝いの違いやら、誰も見ていなくてもゴミを拾うこととか 地道に人間力を育てながら、未だに自分も出来ていなかったりします。子ども達に言いながら本当は自分で確認と反省の日々。
コメントはとてもうれしいので、りっぱなお手伝いかも。手伝ったり手伝っていただいたりしてやっていきたいですね。

1か月間の米子での個展、お疲れ様でした。
来年は機会があれば同行させていただきたいですo(*^▽^*)o

次は鳥取市での個展、生徒展ですね。
かっぱ娘は「展覧会」と意識することなく毎回その時にアトリエで絵を描くということを楽しんでいるようです。
そんな飾りのない子供達の雰囲気が感じられる絵がとても好きです。
先生の新しい作品もとても楽しみにしています。

かっぱのおやこ様
ありがとうございます。
実は一人旅のようにして ばったり会うふりをするのが面白くて楽なのよ。お互いに一人旅をしましょう。
偶然の同行歓迎です。(*゚▽゚)ノ

さてさて生徒展。みんないつも描いている作品を出します。とりあえず本人とご家族が見に来ることが先決かな。かおる先生の個展のほうは15年目の通算20回です。みなさんのおかげです。初心のままに描きますね。おたのしみに。いつも助けていただいて感謝です。

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