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2011年12月18日 (日)

スタジオガブリの12月

今年は一年が早かった。

言葉を選ばずストレートに語りかけてくれる子ども達の中に身を置くことで、どんなに救われたか計り知れない。

先日、被災地支援をしている岩手の友から発信されたメールで、絵描きの私が少しだけ役にたてることを知った。
すぐに絵はがきを送り、アトリエで子ども達と手分けして絵手紙も送った。「がんばって、と書かずに励ますことば」を、探し探し書いた。

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中学生は春の日射しのイラストに「春」と。小学生はクリスマスカードに「サンタは北へ」と、短い文字を入れていた。たまげたのは低学年。「がんばって鳥取にきてください。カニがおいしいよ。」「おんせんにきてください。あったかいよ。」「なしもおいしいよ。とっとりにきてね。」

読んだ私が「どこに泊まってもらうの?」と聞くと、「ぼくの家だよ。」とにこにこしている。一人の女の子が「あっ、でもお兄ちゃんが恥ずかしがるかも。」
みんな本気で考えていた。

岩手からは・・・仮設住宅で暮らす人々の中に、生活や心の苦しさで、自死してしまう人が増えてきた事実が綴られていて、心に寄り添うセラピストの人でさえ疲れ切っている。どこからか気持ちがゆるっとほぐれる便りがほしい、との内容の活動を始めたとの知らせだった。

とまどったり、何を書こうとか考えあぐねる大人の了見をさておき、とっとと先に行く子ども達。こんな心は大事だ。見習おうと思った。ほんの小さなことでも、肩に力をいれないで出来ることのあった喜び。絵描きをしていて本当に良かった。

展覧会の準備やら、カレンダー展のひと言メッセージやら、生徒達が自分で出来ることが増えて来て、みんなで作業する光景は、まるでスタジオジブリのようだから「スタジオガブリ」と名付けておいた。

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今年最後の教室はあと5クラス。

昨日の土曜日に「今日は最初からずーっとパーティーしない?」とさそってみたら、
「先生、まず絵を描いてからだよ。」とやんわり叱られた。はしゃがないで絵を描いて、一呼吸つけてから思い切りはしゃぐ見事な場面転換を見せていた。

「好きなものひとつあげる。」と言われてサンタの袋をのぞかせてもらい、ビー玉をひとつもらった。
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とんでもなくやんちゃで手がつけられなかった男の子に、「素晴らしくいい感じになったねぇ。」と感心したら、「やっぱり俺だってあのままじゃいけんと悩みもあったでぇ。」と言われた。
すると、もう一人のおとなしい子が、すかさず「僕はいい子だったからこれからが心配だな。」
「そりゃあんたの自覚次第でしょうが!」 つっこみをいれたのは女の子。手は動かしつつ、可愛いトナカイを描きながらの会話だ。

子ども達は、自分のことも周りのことも充分に知って生意気で、とてもとてもやさしい。

スタジオガブリ年中無休。

 時々サンタ

ただいま北国へ発信中

 

 

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展覧会まで一ヶ月。雪が降るかも知れないけれど、いい絵が生まれて来たのでご案内します。
また、フリースペースでは小さい仲間達の傑作も展示します。年明けの楽しみのご予定に入れておいていただけたらうれしいです。

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コメント

「スタジオガブリ」いいですね。かおる先生と子ども達のステキな関係がずっと続いてる様子を見ていると心がポカポカしてきます。
私もとまどったり、躊躇することが多くなり、考えさせられました。
子ども達を見習い、肩の力を抜いて頑張ります!!

お~~~! ひろ衛門様
ご無沙汰しておりました。「スタジオガブリ」の一期生は 年末には帰られるらしいですね。肩の力を抜いてまた ひろ衛門さまもアトリエをのぞいて下さいね。スタジオガブリはいつも人手不足です。(*´v゚*)ゞ

小さな仲間をお持ちの大人は貴重です。
ミヒャエル・エンデかサン・ティグジュペリ、はたまた水木先生とか・・
目に見えないものを信じていながら、目の前の時間もきちんと楽しむ大人です。良寛和尚も権力に迎合せず、子ども達とは夢中で遊べた哲学の人。

いつかアトリエを窓の外からでもいいから 覗きたい衝動にかられます。
どうか個展を続けて下さい。絵はいくらでも浮かんで来るのでしょうから。ぜったいに多くの人を勇気づけてくれることでしょう。

宇宙の旅人さま
モジモジ(。_。*))) とてもありがたいお言葉ありがとうございます。
窓の外とおっしゃらずに、本当にお顔が拝見したいです。実はもう会っているのかも知れませんね。今日は最後のサンタの日でした。あと4回教室がありますが、小さな仲間に助けられて夜の制作のパワーが出ます。「モモ」も「星の王子様」も良寛和尚もゲゲゲの先生も、私の本棚にあります。見えないものを大切に小さい仲間を愛していけたらな・・と思います。どこかの星でお会いしましょう。*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。..。.:*・゜゚・*

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