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2011年10月25日 (火)

自習の日

 ここ久しく熱をだしていなかったから、この前の39度は
きつかった
一度下がってアトリエを再開したのに、しつこくまた上昇した。

子ども達の顔を見てしまうといつも通りにやってしまうので、
アトリエを3クラスも休みにしてひたすらの安静。
点滴も砂漠のような身体中にしみ渡った。

なんとか回復させてもらったものの、
芯のほうからシャキッとしなくて心もとない。

画材店のS先生に「どうしたら力を入れないで、教室が
できるんでしょうかね?」
と相談すると、「自習。」と、笑いながら即答された。
(そっか・・・自習ね・・。) 少し安心して、
(でも 自習ってどうすればいいんだろう?) と考えた。

 

 何も知らないクラスの子ども達が復活したてのアトリエに
駆け込んできた土曜日、
試しに、「きょうは自習です」と言ってみた。
「えーっ、なんで」 「先生はやっとお熱が下がって
ふらふらだからです。」
「まじですか?お熱はえらいわなぁ・・」
よく熱を出しながらも成長途中の子ども達は自分達と
重ねて心配顔。

「ところで、みんな今頃は学校で自習ってあるの?」と
聞いてみると、
必ず代理の先生などが来て、あまり自習は無いとのこと。

「第一、先生がおるのに自習って・・・ないし。」と、
怪訝な顔で私をジーッと見つめるつぶらな瞳軍団。
とりあえず、いつものようにアトリエ時間をしてみることにした。

一生懸命自分のことは自分でしている姿を私に見せている。
お互いに画用紙を配って、シコシコと描き始めながら
またチラリ。
いつものギャグもなんとなく密やかに語り、
遠慮がちに口に手を当てて笑ったりしている。

我慢できなくなったのは私の方だった。
「やっぱり自習は終わりましょう。先生も仲間に入れてね。」
「いいよーー。」
そして何のことはない普通にさっきの続きが始まった。
ただ私は座りながらみんなの側にいた。
「いるだけでも自習じゃないでぇー。」 「そっか・・。」
「いっつも座っとったらいいんじゃない?」 「そっか。」

誰も私がいつも立ち歩いて絵を見たり、一人ずつと話しを
したり、無理に元気そうにすることを望んではいなかったのだ。
「先生は、居るだけでいいよ。」
 

 

1110251_2キラッとした目をしてみんながなんとなく近くに来たから、
「よしっクラス写真を撮るよ!!」
北海道に転校していった生徒から届いたバター飴を持って、うれしそうにちんまりと集まって記念のクラス写真をパチリ

たまには親も居るだけでいいんじゃないかな。
疲れたときは子ども達に休ませてもらいながら、
こうやって出来るだけ一緒に生きて行きたいな、と思った。

 

 

お互いにそこに居るだけで安心な関係ってすごい。
いつか子ども達が大きくなったら教えてあげよう。
「あの関係は愛だったよ。」

自習解除で安心したクラス写真の顔、
みんな笑ってみんないい。

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コメント

ひさびさにおじゃまをしたら、先生、まだ完全復調ではなかったのですね。でも、写真の笑顔はとびっきりですね。
「居るだけでいい。」ということが、だんだん許されなくなったり、わからなくなったりの世の中なんだと、気付かされました。ためになるぅ~。
本当に、子どもはみんなお母さんが大好きなんだから、「わたし、居るだけでいいの。」と思ったら、育児ももっと楽しいだろうし、追い詰められて虐待なんぞをしてしまうお母さんも減るでしょう。「居るだけ仏」なんて、作って売り出してみたらどうでしょうね。(いやらしいかな(≧m≦))

アヤドンさま
いいですね( ̄ー ̄)ニヤリ
「居るだけ地蔵」「居るだけ観音」「居るけどいない」「居ないけどいる」とかとか・・・・・・・・むむむ深くなってきた。必ずそこに居る存在があると 安心なことは確かですね。いつまでも アトリエに居ることにしましょう。ぼちぼちいこか(*´v゚*)ゞ

まるで 親のような 「二四の瞳」の女先生のような 泣けてくるような子ども達との絆ですね。この子達はアトリエを一生忘れないでしょうね。
物語のようなアトリエが本当に存在していることに 感動します。
おからだ 大事にして下さい。(・∀・)イイ!

沖縄のトトロファン さま
そちらは まだ初秋ですか? それとも穏やかな晩夏のような風でしょうか。いのちひとつぶずつの 子ども達との出会いって ちいさな宇宙を見るようです。ありがたくたのしく 宇宙の中で漂っています。子どもの情景は無限大。ここに居るだけの私は 有り難い気持ちで元気になれます。

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