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2011年10月12日 (水)

イラストレーター

米子のちいさな童画展も一週間が経ち、
"列車で行く秋の一人旅"の毎日に、劇的な出来事は起こった。

アトリエに慌てたような留守電とメールを下さっていたのは、
鳥取市内の「ギャラリーそら」のオーナー安井さんだった。

その期間、初個展をされていた若いイラストレーター
TANICHO(たにちょ )さんこと谷上公弥子(くみこ)さんという方が、
この道に進むきっかけ話の中で、
私との出会いを語られたというのだ。

この驚き・・・この衝撃の事実

 なんと今から17年も前に、まだ町村合併前の佐治村から呼ばれて、
毎月のように地元の和紙に水彩で絵を描く会をしていたことがある。
童画家デビューの少し前で、イラストレーターをしていた頃だ。

今もそうしているけれど、子ども達にも挨拶をして名刺を配った覚えがある。

「イラストレーター」という言葉を初めて目にした山の子ども達の中に、彼女は居た。
(こんな仕事もあるのか)と思って、イラストレーターになろうと思うきっかけに
なったそうだ。

現在京都でプロの道を歩む彼女は故郷で初個展をしていたのだった。

 

 

1110121最終日の7日に会いに行った。

面影があった。素晴らしい作品だった。

「あのとき、クレヨンをポキンと折ってみんなに分けてくれました。」
「せせらぎの中に佐治石を描くのを墨で描いて見せてもらいました。」
「すずめの絵も教わりました。」
彼女は訥々とゆっくり思い出を語ってくれた。

よく憶えていてくれたものだ。

素直でおとなしく、素朴な子ども達は行くたびに喜びを絵の中に表し上達した。

帰る時に山菜の漬け物や新鮮な花や果物をいただいた。
私の中にもまた現在のアトリエ教室をはじめる種が芽生えた出来事だった。

 

私の絵は今でも当時とあまり変わっていないのだけれど、
彼女の絵は心うたれる本物になっていた。
都会の仕事で使用されたイラストのどこかにさえ、必ず佐治の風景が
しのばせてあった。
胸に迫るものがあり、「これって泣きながら描いたでしょ?」
と聞くと「わかりますか?」と笑った。

さぞ辛いこともあったにちがいない。
夢に向かって本当にプロになることの大変さはよく知っている。

アトリエの教室のリアルタイムの弟子ちゃん達にも話して、
「すごいでしょ。かおる先生に教わった子がプロになったんだよ!!」
と自慢した。

大事なのは憶えていてもらえるようなひとときを、今も、これからも
続けることだと思った。
うれしい出来事だったし、あせって連絡して下さった「ギャラリーそら」の
安井さんに感謝した。

彼女が恥ずかしそうに渡してくれた名刺には「イラストレーター」と
印刷されていた。おめでとう。

誰かの人生のきっかけは、誰かの人生なんだね。

種まき続けよう。

そういう生き方が好きだ。

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コメント

何と素敵な言葉。
「誰かの人生のきっかけは、誰かの人生なんだね」


aKoseさま
ありがとうございます。あれもこれも。なおしていただいて。(*^ω^*)ノ彡

偉そうに肩に手をおいてしまい、、すみませんでした
ご多忙中におこしいただきありがとうございました。

そして、何年か前。雪の積もる頃。
佐治にお越しいただいたきありがとうございました。
あの日、買ってから日が浅いショートブーツを履いて行き、
雪で濡れてしまった事も、なぜだかよく覚えています。

自分の描いた絵を、すごく丁寧に見ていただいて。
雀の書き方や川の書き方を教えていただきました。
緊張しながらも楽しい時間でした。

プロといってもまだまだヒヨっ子ですが、
自分のペースで前に進んでいければと思っています。
すてきな種をありがとうございました(*´v゚*)ゞ

TANICHOさま
気がつくとあの時の子ども達がスズメのように 羽ばたいていたのですね。
思い出の中では いつまでも変わらないたのしいひとときでした。
 
ひよっこでもスズメの子でも 自分の羽で飛んでみるのって素晴らしいです。
素敵な作品でした。きっと 欲しい方がたくさんいらっしゃると思います。
勇気を出して 感謝を込めてりっぱなプライスを設定して下さい。
いつまでも 内心ドキドキしながら やっていきましょう。
私だって同じですよ。(*´v゚*)ゞ

困ったら いつでも 相談して下さい。だって初代の弟子ですから・・
とにかく身体だけは気をつけて。またお会いしましょう。(/ ^^)/アリガトネ

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