バヤル・テ、さよなら、グッドバイ
「さようなら」を言わないで済むものならいいのに、
毎日をあたらしく生きていれば「出会い」と「さよなら」
がいっぱいになる。
別れをさみ しいものと思うか、続きのはじまりと
思えるかで随分気持ちは変わってくるのだけれど。
3ヶ月もの長い夏休みがあるモンゴルから鳥取に来ていた
一年生のアジャちゃんは、アトリエ生徒サローラの従姉妹で、
お母さん方のお祖母ちゃんと一緒にはじめて来日して、
まったくわからない日本語の中で元気にアトリエ近くの公園で
遊んでいる姿をよく見かけた。
他に行くところもないらしく、モンゴルの小さな従姉妹を連れて
アトリエをのぞきに来るサローラの気持ちを感じ取った私は、
「今度からアジャちゃんも一緒に絵を描きにいらっしゃい。
お月謝の代わりに、みんなにモンゴルの言葉を教えてね。」
と言ってみた。
それから何度か月曜クラスの中でおもしろすぎる国際交流が
くり広げられ、驚くべきことにモンゴル語と鳥取弁の混ざり合った
「アトリエ語」を器用に使い出した子ども達の作り出した世界には、
明るい会話と笑いがはじけて充分気持ちが伝わっていたのだった。
「だから、伝えたいことがあればどこの言葉だっておぼえるんだよ。
無理に小学校から英語を習わなくても、ちゃんとした日本語で
伝えたいことを考えることが出来れば、外国語は必要な時に
すぐ出来るようになる。」
かねてからそう考えていた私は「ほら、やっぱりね!」と喜んだ。
子ども達も「本当だねぇ。」と笑った。

モンゴル語はとても難しかったけれど、別れの日となった今日のアトリエも、思い思いの絵を描く中で不思議な会話が通じ合い、心のこもったさよならカードを創ったりしていた。
ちょっとだけの雨なんかへっちゃらでシャボン玉をいっぱい飛ばし、「バヤル・テ」 ( モンゴル語のさよなら )と「バヤル・ララー」(ありがとう)を鳥取の子ども達が大きな声で叫び、アジャちゃんが覚えたての
日本語で「ありがと!ありがと!」をくりかえす。
発音がちょっとドイツ語っぽくて「かおるせんせい」は「かろるすぇんしぇ」と聞こえたけれど、彼女にとって「日本」は友達と絵を描いた楽しい国になった。
夜、サローラのお母さんとおばあさんが、「思い出をありがとうございました。」とアトリエにいらっしゃった。
よかった。大変な予感がしても、気持ちを込めれば大丈夫。
まだまだ夏休みは続く。
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サローラちゃん、帰られたのですね。モンゴルの大草原で、アトリエのことを心にとめて生きている少女がいるって、なんだかロマンチックですね。
言葉がまったく通じない同士が、相手の望んでいることをわかってあげようと必死で見詰め合うときの真剣な顔ってとても美しいですよね。全身で、相手の言葉を受け止めようとして、一言一言に身振り手振りで確認。メールで一方的に思いを伝えることのできる便利な時代だけど、全身を使って、そのうえ気合やテレパシーまで使って全力で伝えよう、わかりたいという景色には、ハッとさせられる美しさがあると思います。子どもはそのやり方をちゃんと知っているんですよね。
投稿: あやどん | 2011年8月11日 (木) 22時14分
あやどん様
モンゴルに帰ったのは サローラのいとこのアジャちゃんとお母さんのお母さん、つまりサローラのおばあちゃんです。サローラ一家はまだ鳥取にいて お母さんは赤ちゃんを保育園に入れて また通訳復活です。でも どこの誰とでも全身で伝え合う子ども達(宇宙人とも)。見ていて感動します。あれっ?アトリエの窓から、の本の第一話「転校生」って そんな話ですよね。やっぱり、真実はひとつ。
同じことを言い続けるんですね。ハッとすることばかりです。Σ( ゜Д゜)ハッ!
投稿: アトリエトトロ | 2011年8月11日 (木) 22時51分