アイスクリーム
「アイスクリーム気分だねぇー。」
学校のあれこれをピーチクパーチク話しながら絵を描くみんなに私が声をかけてしまった。
「だって先生、アイスクリームはないでしょう?」
脳の腹ペコゴックン神経を刺激された子ども達は、かろうじて平常心を保ち、私をいさめる。
「先生、もっと暑い夏になったらアイス食べような。」
おもしろい現象を発見したかもしれない。おとなの私が最初にちょっとわがままを言ってみると子ども達はびっくりして、「先生!」と、注意してくるのだ。しかもいつも自分が言われているような口調で。
しばらくして外出先からボス(社長)が買い物袋を持って帰って来た。
「なんかおみやげですか?」と聞く私に「仕事先で玉ねぎとキュウリをもらった。」
と野菜を見せて、ちょっとがっかりさせてから、
「ついでにアイスクリーム買って来たぞ。」と、三つのカップを出してくれた。
子どもは6人。
何か言おうとする私より一瞬早く、
「じゅうぶんです。2個でいいです。みんなで分けます。」と6年生のHちゃん。
小さいガラスカップに手際よく分けて、とんがりコーンにすくって、ミニソフトにしてからいただいた。
「じゅうぶんです!」という言葉を今の子どもの口から聞くとは思わなかった。
有り合わせの厚紙と粘土でおしゃれな額を作ったり、工夫してオヤツを分けて喜ぶ満足感はいい。「じゅうぶんです!」…か…。
もちろん、私はじゅうぶんメタボだから、アイスはいただきませんのよ。
ちょっと子ども達をからかってみたら、思いがけずみんなが立派だった真夏日のおはなし。
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「じゅうぶんです」見習わないといけません。先日、行った講演会で、講師の方が「うちはお金が無いわけではないけれど、わざとボロ家に住んでます。子どもの教育のためでもありますし、不自由な暮らしというのは家族の協力関係を生むでしょう。」と言っておられました。アトリエ家族も、同じなんですね。子どもたちから学ぶことはいっぱいありますね。
投稿: アヤドン | 2011年6月30日 (木) 15時36分
アヤドンさま
三陸の避難所で、家も船も丸ごと流された方が、かろうじて見つかった家族の写真を見せて、「大切なものは そんなになかったんだな・・。」と言っていました。
今、みんなが もう一度「ほんとうにたいせつなもの」をみつけるときなのかな?
と、思うこのごろです。
えっ?わたし? 私は毎日が「じゅうぶんです。」\(;゚∇゚)/
投稿: アトリエトトロ | 2011年6月30日 (木) 16時41分