サンタの気配
頑固なまでにクリスマスを信じて迎えるアトリエでは、今の季節に恒例のクラス写真を撮る。一年は短いけれど絵を描く仲間との2時間はたっぷり満ち足りている。
見知らぬ同士が集まって、いつのまにか肩を組んで笑えるまでの時間がめぐっている。
寒さを感じる毎日は、こうして子ども達の表情に助けられて胸があたたかい。先生は哀しかったり嬉しかったり、笑っていたり、涙をこらえたり、自分達とおんなじなんだ、と気づいた子ども達は、助けてくれようとしていつもより近くにいる。
一月の初めの大きな展覧会では、先生と生徒が一緒に県民文化会館の屋根の下でコラボする予定だ。
「先生、かなしいのに絵が描けるか?」心配そうに子ども達が問いかけてきた。
毎年受け付けに居てくれたYさんの訃報から三週間。アトリエの13年間をサポートしてくれたYさんを偲び、みんなで小さな手を合わせて祈っていたとき、「風になって、サンタの空で見ていてくれるから大丈夫!」と言い聞かせながら、子ども達と一緒に涙をふいた。
空気がとても優しいクリスマス前のアトリエの夜。
みんないい笑顔だ。まだまだ一年は終わらない。
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笑顔のあるところには、サンタさんが必ずやってきます。
本物のサンタは大人の心にやってくるのだと、いつの頃からか信じていました。今年は去年までよりもっと信じられる気がしませんか。大切なものを失ったかわりに、目に見えない力に守られている気がしますよね。
投稿: アヤドン | 2010年12月 4日 (土) 19時14分
アヤドンさま
本当に一層サンタが身近になりました。真実はひとつです。今日も子ども達と本気の時間をすごしました。カウンターごしではないピュアな会話の中に深い真実が潜んでいて、ごまかしのきかない覚悟をし直す私です。守られている感じは強くなりましたね。
投稿: アトリエトトロ | 2010年12月 4日 (土) 21時04分