魔法つかい
物語には、東西を問わず必ず不思議なお婆さんが登場する。ジブリの映画でも お婆さんが大切なポイントを握っているようだ。
いつもの個展は一月なので、その準備にかかる秋頃から、私は道でお婆さん達から声をかけられるようになる。「楽しみにしとりますけぇな。」見知らぬ方でもあちらは私をご存じらしく、「がんばりんさいな。」と優しい微笑みに元気をいただき、思わず「ありがとうございます。楽しみにいらして下さいねぇ。」と握手などしてしまって、(描かなきゃ!)とラスト一周を乗り越えて来た。それを私は偶然とは思えず(お婆さん現象)と名付けて大事にした。
しかし今回は誰も若桜の個展を知らないから、いつものお婆さん現象は起こらなくて、一人で頑張って描くしかないと思っていたのだが…。昨日のこと、滅多に行かない駅裏のジ〇スコで絵の教室のオヤツを買っていたら、「たなかかおる先生ですかなぁ?」と、声をかけられ、「初日に行かせてもらいます。」と微笑みの挨拶。若桜から私と同じ病院に通うTさんに仲良くしていただいたのは、約20年も前の事だ。その時、たしか80歳になると聞いていたから…えーっ!声をかけて下さったのは、そのTさんのお嫁さんだったので、少しびびりながら「お婆ちゃんはお元気でしょうか?」と尋ねてみた。「はい、間もなく百歳になります。車椅子で見に行くのを楽しみにしとります。初日はあなたが来られるでしょうから会いたいと言っております。家に役場からもらった個展のポスターも貼っております。」って。ガーン!!!!! 最強のオーラが、またしても出現。描かなきゃ。あと一週間もあるんだから、最後まで描いて行こうと、また心に力が湧いて来た。私に描かせ続ける魔法使いのお婆さん達と、小人の国の子ども達はいつも物語のように近くに居てくれるのでした。めでたしめでたし。
若桜では、何か新しいアートにもチャレンジするつもりです。お楽しみに!
●ただいま試作中の「ハッピースマイルシリーズ」
(フラワー工房HaRuさんとのコラボ)
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