人生
ある日、なかなかはっきりしない中学生に少し厳しく説教をしていた時のこと。すぐ横で聞いていた小一の男の子が、「じぶんの人生だからねー。」と言った。私も、中学生もその母親も思わず言葉をのみこんで彼を見ると、何事もなかったような顔で絵筆をさらさらと走らせている。おかげで説教は終わり、中学生の彼女は少し反省したような顔で自分の席に戻った。ほかの子ども達も小さな声で「人生か・・・」と反復しながら、フフッと苦笑している。ちょっと待って、一体あなた達は、コドモ?それとも小さなおとな?時々こんなことがあって私はうーんと唸(うな)る。
街でバッタリ家族の人と一緒の生徒に出会った時に、「あっ!せんせー!」と呼ぶその姿は、まさしく子ども。アトリエで大きな顔をしていたのに手なんかつながれていて、とても小さく見える。
一体どちらが本当の姿?実は難しいこともちゃんとわかっているのに、親の元だけでは幼い子どもに切り替わるのだろうか?なんて面白いシステム!きっとどちらも本当の姿なのだろう。演技ではなくて“TPO”というものか。 ということは、これからも遠慮なく「人生」を語り合うことにしよう。肩書きも財産も、ましてや余計な謙遜も持ち合わせないうちに、心から語り合う人生の始まりは広い海のように果てしない。
photo by Boss
先生、こんばんは。
今日はありがとうございました。
こちらのお話を拝見して思わず笑ってしまいました。
子どもは時々、ドキっとするようなことを言いますよね。
先生のブログや本を読ませて頂くと、子どもや子育てに対する考え方や見方が変わってきます!!
投稿: にゃんち | 2010年4月 6日 (火) 22時42分
小さくたって 一人前の子ども達から 大きなエネルギーを分けてもらっています。子育てこそ エネルギーの自給自足かも。みんなで育ちましょうね!
投稿: アトリエトトロ | 2010年4月 6日 (火) 23時16分